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資料のはらわた ~「浦幌町立博物館」編(No.027)~

 博物館とか資料館とか記念館とか巡りが大好きな中の人がお送りする、地元北海道内の博物館とか行ったメモ。
 第二十七回目は「浦幌(うらほろ)町立博物館」です。


 

 この博物館は「教育文化センター・らぽろ21」に図書館と共に併設されています。行ったら誰も居なくて寂しい思いをしましたが、図書館員の方に声を掛けたらご自由にどうぞ~♪と言われたので中の人はフリーダムです(全裸ではない)。
 それと建物裏側に駐車場があったのでそこに停めたんですけど、建物正面にも駐車場があったのでそっちの方が良いかも知れませんね。

 施設内は6ブロックに分かれており、見易い構成になっています。

 

 
施設名:浦幌町立博物館
URL:https://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/kanko/midokoro/spot/hopokinenkan.html
場所:〒089-5614 北海道十勝郡浦幌町字桜町16−1

休館日:月曜日
開館時間:10:00~17:00
料金:無料
 
 
 標本を展示しつつ浦幌町の自然を紹介するコーナーです。

 中央の黒い鳥は「エトピリカ」で、日本での繁殖地が道東方面のみに限定されており日本での絶滅が危惧されています。この剥製は弱って保護されていましたが衰弱死した為、丁寧に剥製にされて展示されているとの事でした。エトピリカの剥製って珍しいんですって。


 

 アオサギのコーナーです。こちらも日本国内での繁殖地が限定されているそうで、基本的には渡り鳥との事。

 自然史のコーナーです。ここでは地質から化石までを展示していました。

 この浦幌町で発掘されたアンモナイトが現状では日本で最後まで生き残ってらしい事が、北海道博物館・三笠市立博物館・足寄動物化石博物館・浦幌町立博物館の研究で判ったそうです。6680万年前との事ですので、地球史で考えたら最近の事ですね。「ついさっきまで元気だったのに・・・」みたいな感じですかね。
 余談ながら、この記事を書いている時点ではリニューアルした北海道博物館のみ行った事がありません。その内、隙を見てお邪魔します。

 こちらのアンモナイトは、浦幌町を内包する十勝(とかち)管内で初めて発掘されたモノとの事。所謂「異常巻アンモナイト」ですけども、どうせだったら一般的なアンモナイトの方が嬉しさアップでしたよね。

 我らがデスモスチルスは「資料のはらわた ~「足寄動物化石博物館」編(No.013)~でも割と残念な姿で登場します。

 写真中央から右側に掛けての大きい化石ですが、これは1500万年前に生息していた「アロデスムス・ウライポレンシス」と言う名の新種なんですって。鰭脚(ききゃく)類との事ですので、アシカとかオットセイとかの祖先なんですかね。

 浦幌で発掘された貝の化石の一覧です。浦幌は海沿いの町ですので、貝の化石が沢山あっても不思議ではないですね。

 十勝太(とかちぶと)若月遺跡で発掘された、1.5Mまで掘られた楕円形の墓のジオラマです。折角ガラス張りにしているのですから、真上から見たかったですね。でも、ガラスが割れて落ちたらその人の墓になる訳ですが。

 その墓の発掘の様子です。

 ここは土器のコーナーです。小洒落てます。

 完全にギャラリーです。面倒なので公開はしませんけど全部で18個の土器を残らず撮影してやりました!

 ちょっと個人的に感動したパネルです。出土した石器や土器類が旧石器時代から江戸時代までに年代毎に並べられています。


 

 

 すげー解り易いです。こう言った見せ方は他の博物館でも見習うべきかと思いました。

 左から「北海道の初期の土器文化」「シベリアから来た石刃鏃(せきじんぞく=鏃=やじり)文化」「続縄文文化と墓」「擦文ムラと住居」「擦文文化の鉄と農耕」のコーナーです。
 それぞれ詳しい解説と発掘された品々が展示されており、コンパクトに纏められている割には一つ一つのボリュームがあります。

 隣のコーナーです。「アイヌのくらし」「十勝・浦幌のあゆみ」で構成されています。
 アイヌの文化に始まり、十勝(とかち)地方の成立、浦幌の開墾、発展に至るまでが展示品やパネルを通して説明されています。


 

 「アイヌのくらし」のコーナーです。展示方法が一々お洒落・・・。
 1枚目は日用品の品々で、2枚目は「送り場」と呼ばれるアイヌの方々が食料として獲た獲物の魂を神々に送り返す「イオマンテ」の祭事場から出土した品々です。所謂「イヨマンテの夜(伊藤久男氏)」ですね。

 「チャシ」とは柵・砦を意味するアイヌ語です。北海道全体では500箇所以上が発見されているそうですが、主に道東方面に集中しているとの事。形状も複数あり、地形や年代によって様々です。
 因みに、浦幌には「十勝太Dチャシ跡」があり、近くの展望台から見る事が出来ます。


 

 

 浦幌町の衣食住です。とは言え、特に他の地域とは目立って異なる部分はありませんでした。でも見易く展示されています。


 

 浦幌町の産業のコーナーです。主要産業は農業となり、その60%を畜産農業(肉牛・乳牛など)が占めています。浦幌和牛もあるでよ。あと、農作物では芋が有名ですかね。

 北海道には「釧路(くしろ)炭田」と呼ばれ道東方面に広がる10箇所以上の炭鉱を抱えた一大炭田がありまして、その炭鉱だった一つがここ浦幌町の浦幌炭鉱です(現在は釧路炭鉱の一箇所のみが稼働中で、詳しくは「資料のはらわた ~「釧路市旧太平洋炭礦炭鉱展示館」編(No.018)~」でざっくりご案内しています)。
 1918年から採掘が始まり途中で休鉱しましたが1933年に再開して1954年に廃鉱となるまで、ピーク時には18万6000トン近くを産出していたそうです。隣の音別(おんべつ)町には尺別(しゃくべつ)炭鉱がありまして、展示されている救命器に「尺別」と明記されているのはその名残でしょうかね。

 これは浦幌町に現存する、明治時代の和洋折衷建築の牧場事務所の模型です。
 歴史的な価値があるものの、未だ指定文化財にも登録されておらず立ち入りは勿論、接近すら出来ない状況との事。加えて老朽化が著しいものの予算の都合で修復も難しく、このままでは朽ち果ててしまう為にどの様にして保全・保管を行うのかが課題だそうです。
 そりゃ予算も限られてますし個人が出せる金額でもないですし、難しいところですよね・・・。この建物に限らずですが、歴史的な何かが起こった舞台とかでしたらすぐにでも予算が下りるのでしょうけれど「ただ古いだけ」では厳しいですよね。「実は土方歳三が生き延びてこの建物に逃げ込んだ」とか捏造するのもアレですし。
 でも、一度無くなってしまったらそれで全てが終わりますから、出来れば保存出来る様にして頂きたいです。例えば、この博物館は無料ですがこれを有料にして一部を保存の予算に充てるとか、そう言う議論もした方が良いのでしょう。議論している間に土に還りそうではありますが。

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